inフランス_フェルミニ

3/8Lyonから列車で1時間強Firminyへ向かう。一番の目的はコルビジェ設計の「サンピエール教会(L'eglise Saint-Pierre)」を見学すること。この日はサンピエール教会の他にユニテ、文化会館、スタジアム等を見学。ユニテは10時と15時から始まるツアーに参加すれば内部を見学することができる。丸一日コルビュジェを堪能した。
コルビジェは我々に様々な光の表現を見せてくれる。サンピエール教会は様々な光に満ちた神聖な空間だった。小さな開口部から導かれる無数の光の点、色鮮やかな光、上部からは教会内部を照らすまとまった光。時の経過に従い、外の環境の変化によって内部は様々な表情を見せてくれる。結局その日3回訪れトータル3時間くらい教会内部にいた。いつまで居ても飽きることのない空間だった。惜しむらくは天候がイマイチだったこと。昼過ぎから晴れてきたものの朝の雪が無数の小さな開口部へ詰まりなかなか融けない。そのためこの教会で最も見たかった不規則に変化する曲線状の光を体感することはかなわなかった。不規則な光は開口部に設けられた金属の輪に反射して生まれるらしい。しかしユニテのツアー中にガイドのお姉さんが「当時は金属の輪をはめ込む施工技術がなかったため、あの光は偶然の産物なのよ」みたいなことを言っていた。つまり当時コルビジェを含め誰もあのような不思議な光の帯ができるとは予想してなかったことになる。
その日同じユニテのツアーに参加していた人から驚愕の事実を知らされる。「ラ・トゥーレット修道院(Couvent-de-la-Tourette)」はまだ改修工事中で日曜のガイドツアーに参加しないと中へは入れないらしい。後でネットでも確認したがやはり日曜しか見学ツアーはないらしい。明日は火曜日。さすがに日曜まで待つわけにはいかないし外観だけ見に行くのも納得いかない。というわけで明日パリ入り決定だ。
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inスイス_ヴァルス、クール→inフランス_リヨン

3/7朝7時から11時までは宿泊者専用入浴タイムだ。7時前に行き人の少ないうちに写真を撮ろうとするが2枚撮ったところでそっこー係りの人に見つかってしまい注意される。それ以降監視が厳しくなり全く撮影できなかった。残念無念だ。まあ仕方ないので撮影は諦めてお風呂を楽しむことにした。風呂から上がり朝食に行くとこれまた豪華な朝食だ。何やら高そうなビンに入った数種類のフレッシュジュースや数十種類もある紅茶。チーズや生ハムやパン、どれを食べも美味しい。ここは本当に最高の温浴施設だった。ぜひ建築関係者以外の一般の方々も機会があれば立ち寄って欲しい場所だ。
天気がとても良い。今日中にLyonまで行かねばならないが予定より一本早い列車に乗れそうだ。聖ベネディクト教会に行く時間はないがChurで昨日見ることができなかったズンドー設計のクール美術館の連絡通路「(Connecting-Corridor-at-Art-Museum-Chur)」と晴れた日の「ローマ遺跡のためのシェルター(Protective-Structure-for-Roman-Ruins)」をもう一度見学することができる。Chur駅に到着してロッカーに荷物を預けインフォメーションで鍵を貰いに行くが2本ある鍵が両方とも貸し出されていた。いつ戻ってくるかは分からない。俺に残された時間は2時間しかない。まずはクール美術館へ急ぐ。連絡通路を外から見た最初の印象は陽が差し込み気持ち良さそうなキレイな通路だなって感じだ。次に内部から(中へ入るには国際学生証提示で6フランかかる)。やっぱり気持ちの良い通路だ。カーテンウォールのサッシュ間隔は約300で手摺と交差してキレイな陰影を創り出している。驚くべきはサッシュに手を触れた瞬間だ。この通路、床以外は全てシルバー塗装された木でできているのだ。それでいて洗練された空間を創り出している。展示空間は至って普通だったがズンドー設計の通路を見るだけでも6フラン払う価値はあった。
もしかしたらという淡い期待を持ちシェルターへ行くがやはり閉まっている。しかしまだ諦めない。駅のインフォメーションへもう一度行ってみると鍵が戻って来ていた。残り時間は40分しかない。徒歩10分かかるところを走って5分で到着し内部へ入る。やっぱり晴れていると明るさが全然違い昨日とは印象が異なる。実は昨日15分しか見学できなかったので今日は25分じっくりと細部まで見学することができた。そこからまた走って駅まで戻り荷物を取って鍵を返し列車へ飛び乗る。なんか分単位のスケジュールだ。
ChurからZurichへ。ZurichからGeneve行きの列車に乗り換える。乗り換え時間は5分しかないがフランの小銭をなくそうと思いパンを購入していたら列車を乗り過ごしてしまった。俺の中ではギリギリ間に合う算段だったのに・・・あれは絶対数十秒早く出発したな。俺が走って来ているのに目の前で扉が閉まった。ボタンを押すが赤いランプが点灯して扉は開かない。中から駅員がもうダメだよ的な表情で苦笑いしながら首を横に振る。最悪だ。しかし幸運にも30分後にGeneve行きの列車があるではないか。ぎりぎりスケジュール通りGeneveからLyon行きの列車に乗れそうだ。と思ったら今度はなかなか列車がホームへ入って来ない。見えてるのに。ようやく10分遅れで入ってきたがもう乗り換え時間の余裕はほとんどない。しかし不運は続くものだ。列車に乗りくつろいていると駅員が来て向こうの車両に行けと言う。向こうへ行くとまた別の駅員が向こうへ行けという。さすがにこれには温厚なスイス人も苦笑いだ。結局列車は1時間遅れで発車した。何かトラブルがあったみたいだが俺のフランス入りは絶望的か?念のため保存しておいた時刻表をパソコンで開きチェックするとさらに1時間後の19時58分Geneve発21時58分Lyon着の最終列車があるではないか。神はいたようだ。俺の脳裏に七転び八起きの言葉が浮かぶ。しかしこの列車も15分遅れでGeneve到着は22時15分。今まで列車の遅れなんてなかったのに。そこからメトロを乗り継いでユースに到着したのは23時を過ぎていた。ユースは丘の上にありバックパックを持って登るのはけっこー疲れたが1泊18ユーロで朝食付き、Wi-Fi可、美しい夜景とくれば即3泊決定だ。
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inスイス_クール、ヴァルス

3/6今日は旅の疲れをズンドー建築で癒すのが目的だ。まずは「ローマ遺跡のためのシェルター(Protective-Structure-for-Roman-Ruins)」を見学するためにBaselSBBからChurへ。ここへは実際に行った人に行き方を聞いておかなかったらかなり時間をロスしてしまうところだった。この建物の内部へ入るためにはChur駅のインフォメーションで鍵を借りなければならないのだ。鍵を借りて地図を貰い目的地へ急ぐ。黒く塗装された木ルーバーの間隔は狭く外部からは一つの大きな塊のようにも見える。一見内外が隔離された空間のようにも見えるが半外部空間となっており、内部へ入るとぼんやりと光が差し込み外の風を感じる。天井に設けられたトップライトが絶妙で均質なルーバーで囲われた空間を切り裂いている。これがルーバーに対して平行に設けられていたらキレイな空間で終わっていたのかもしれない。斜めに切り裂かれたトップライトからはまとまった光が差し込んでくる。神秘性と厳格さを併せ持った空間だ。特にコストがかかっているようでもなくとても簡素な素材で構成されている。素材の選択と設計センスによって空間はここまで変わるのだ。惜しむらくは外が雪だったこと。晴れていればまた違う印象になったであろう。非常に勉強になった建物だ。
ChurからSumvitgへ。「聖ベネディクト教会(Saint Benedict Chapel)」に行こうとするが雪はますます激しを増す。というか吹雪いてきて数十メートル先は見えない状況だ。ここへはかなり険しい山道を歩いて行かなければならない。これではハイキングどころか雪山トレッキングになってしまう。しかも20kgもある全ての荷物を背負って。俺は挑戦はするが無謀な事はしない。ここへは晴れている日にまた来よう。スイスは非常に気に入ったのでまた来る機会はあるだろう。
ChurからIlanzへ。そこから黄色いポストバス(以前は郵便物を運んでいたことからこの名が付いた。現在は山間部の小さな村々を結んでいる)に乗ること40分。今回の旅で外すことのできない建物の一つである「テルミナルヴァルス(Vals-Thermal-Bath)」へ。テルミナルヴァルスはホテルとレストランを併設した温浴施設だ。ヴァルスの町へ近づくと視界に入ってくるかと思っていたが全く見えない。雪を被りホテルと木々に隠れるかのようにひっそりとそれは建っていた。周囲の自然に馴染んで見えるのは地元で採掘される片麻岩を用いているからだろう。ここだけは唯一一般のツーリスト並の贅沢をしようと思っていた。そのためにスイスに入ってから夜は全て自炊、昼はサンドイッチのみと激貧生活をしてきたのだ。しかしHotel-ThermeのZumthorRoomに泊まろうとするが満室とのこと。やはり土曜日、予約しとくべきだったか。結局4ランク中で一番安いホテルしか空きがなかった。まあでもシングルで朝食付き、今まで宿泊した部屋と比べると当然別格だ。ホテルに宿泊すると入浴料の40フランも含まれている。夕食も付けてトータル180フラン(16000円くらい)だった。この時初めて気が付いたのだが意外にレートが良い。ハッピーな気持ちになる。
さっそくVals-Thermal-Bathへ。内部は洗練された洞窟にいるかのようだ。全てが考え尽くされている完璧な空間だ。壁面は数種類の大きさの片麻岩がランダムに積層され自然味のある表情を創り出している。少し光沢があるように見えるのは片麻岩の素材にようものだろうか。しっとりと手に馴染む感触が心地良い。水中から照らされた照明は壁面に映し出され幻想的な空間を演出し、天井のスリットから漏れる光はボリュームを和らげ浮遊しているかのようだ。緩やかなスロープを下るといつの間にか水は肩まで浸かりプールのような感覚で楽しむことができる。当然海外なので水着着用で混浴だ。周りはカップルばかりだが気にしない気にしない。さすがに冬なので湯から上がると少し肌寒いのでずっと浸かっていた。基本ぬるま湯だが中には日本の温泉のように熱い湯の風呂もありそこで温まることができる。居心地が良いので2時間以上いてしまった。夜は美味しい食事に快適なベッド。満足な一日だ。ズンドール先生と親切なスイス人の皆様に感謝。
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inスイス_バーゼル、ロンシャン(一時フランス)

3/5朝5時起床。全然眠れなかった。一部屋に8ベッドもあると必ずイビキのうるさい奴がいるものだが昨日は2人もいた。しかも特大のイビキを交互に響かせる。途中2時過ぎに帰ってきて電気を点けて何やら騒がしい奴はいるわ、4時頃電話が鳴って話し出す奴もいる。部屋は最高だったが人は最悪だった。
日も昇り切らないうちに出発。今日の目的は一時的にフランス側に入りロンシャンの教会に行くこと。行き方はBaselSBB→Mulhouse-Ville→Belfort→Ronchampと2回列車を乗り継いで行くことになる。所要時間は2時間程度だが日帰りで行く場合早朝と昼過ぎの2回しか列車がないので注意が必要だ。列車の時刻はスイス国鉄のHPで乗り継ぎの時間も含め簡単に調べることができる。Ronchampの駅から徒歩30分程度でロンシャンの教会に到着する。ネットではタクシーに乗るとかお金がかかるとか色々書かれているが、この行き方だとユーレイルパスを持っていれば1ユーロも使わずに行くことができる。
Mulhouse-Villeに到着しBelfort行きの列車に乗り込む。しかし何やらおかしい。Belfortに全く到着しない。心配になって隣の人に尋ねると違う方向に進んでいることが判明。すぐさま列車を降りてMulhouse-Villeに引き返すがBelfort行きの列車は1時間待ち、さらにBelfortからRonchampへは3時間待ちと悲惨な状況だ。どこで間違えたのか全く分からなかったがMulhouse-Villeの駅でそれは判明する。俺が見ていたのは到着の電光掲示板だった。最悪な事に時刻も行き先も駅名も全く同じ、しかも到着と出発の掲示板が全く違う場所にあり、プラットフォームへ降りる階段の上に到着の掲示板があるのだ。偶然が偶然を呼び最悪な結果に。悔やんでも仕方ないがヨーロッパの鉄道に慣れてきたこともあり最後の確認を怠った自分が情けない。
Belfortで3時間も列車を待たなければならないが何もすることがない。とりあえず街を散策してみる。ふらふら歩いていると山と同化した建物を発見。気になったのでその建物目指して歩くことに。建物の正体はミュージアムとカフェだった。特に見所があるわけではないが高台から見るBelfortの街並みはなかなか見ごたえがあった。そうこうしているうちに駅へ戻ると出発の30分前だ。遅れること5時間、列車に乗り込みついにRonchampに到着だ。Belfortから来た場合は列車を降りて左に進むと大きな通りに出る。そのまま道なりに進んでいくとChapelleと書かれた標識があるので標識に従って左へ進む。後は山道を歩くこと15分くらいでロンシャンの教会に到着する。
「ロンシャンの教会(Chapelle Notre-Dame-du-Haut)」はル・コルビジェの設計で世界的に有名だ。あの有機的なフォルムは明らかにそれ以前にコルビジェが設計した建物とは異なる。コルビジェにとって大きな転機となった建物であることは間違いない。山道を登り切りロンシャンの教会を前にした時は寒さで凍えた体が熱くなるのを感じた。苦労した分なおさらだ。まあ列車を間違わなければここまで苦労することはなかったのだが・・・山の上にあるという地理的要因、緑の芝に真っ青な空、彫刻的な美しい教会はそれだけで絵になる。たまねぎ型の分厚いコンクリートの屋根はふわふわと空に舞ってしまいそうな白い壁を大地にがっつりと抑えこんでいるかのようだ。相反する2つの性質のモノだが、なぜかしっくりとくる。はやる気持ちを抑えつつ、静かにゆっくりと中に入る。しかし内部は期待していた空間とは違う。色付きのステンドグラスを通過して様々な色の光が全身を突き抜けていくイメージだったのだが、中は薄暗く開口からぼんやりと差し込む光とその陰影が印象的だ。写真集で見るようなイメージとは違う。いや、そもそもそのイメージ自体が間違っていたのだ。心静まる神聖な空間であることは確かだ。
ロンシャンの教会で一人の建築学生と出会った。その人はBelfortからわざわざ35ユーロも払ってタクシーで来ていた。帰りもタクシーで帰るらしい。アプローチを自ら歩いて体験すべきだが、タクシーで帰ることが必ずしも間違っているとも言えない。周囲にカフェ一つないRonchampの駅で寒空の下、俺は2時間以上列車を待つこととなる。知ってはいたけどツライ。というわけでバーゼルヘルツォーク巡りをするには1日足りない。しかしそれは俺の中でマスト事項ではないので次へ行くとしよう。時間もないしな。今日は疲れた。
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inスイス_バーゼル、ヴィトラ(一時ドイツ)

3/4朝ベッドから窓を覗き込むと雪が降っている。ちょっと起きるのが嫌になるが7時起床。残された日数は少ない。一日たりとも無駄にはできない。朝食を食べて街へ繰り出す。まずはトラムとバスを乗り継いでVitraへ。Vitraへは一時的にドイツに入国することになる。バスに乗車した際に2.2ユーロと運転手に言われた時は一瞬焦った。ユーロ持参しといてよかったよ。しかしパスポートチェックなどは全くないままバスはVitraへ到着。次のスケジュール上Vitraに滞在できる時間は2時間半だ。
「ヴィトラ社(Vitra)」は有名な家具製作会社だ。敷地内には著名な建築家によるミュージアムショールーム、元消防署や会議室などあり一度に様々な建物を見学することができる。しかし自由に見学できるのはゲーリーによるVitraDesignMuseumと最近竣工したヘルツウォーク&ドムーロンによるVitraHouseのみ。残りはツアーに参加しなければ見れない。ツアー時間は12時と14時の1日2回という事前情報を入手していたのだが実際行ってみると11時・13時・15時の1日3回に変更されていた。実はこの後のスケジュール的にツアー見学は諦めていたのだが、この変更のおかげで2時間ツアーの内1.5時間だけだがツアーに参加することができた。料金は9ユーロ。自由に見学させてくれたら均等に全ての建物を見ることができるのだが建物の説明が長い。工場内と安藤忠雄の会議室の内部見学は断念。必死で走ってバスに飛び乗った。しかしツアーが11時スタートだったため最近竣工したVitraHouseはゆっくり見学することができた。外観は平屋の住宅を様々な方向から積み上げたような奇抜な形ではあるが内部空間は見ごたえがあった。空間の切り取り方が非常に上手い。外から見た平屋の住宅のような形一つ一つがヴィトラ社のショールームになっているのだが次から次へと見え隠れするセンスの良いショールームは非常に好奇心をそそられる。大きく開けられた開口部からは美しい景色と太陽の光が降り注ぎ気持ちが良い。11時前頃から天候が回復しだしたのだ。結局1時間VitraHouseの見学に費やした。
次の目的地へ向かうためバスに乗っている間もヒヤヒヤしていた。駅へは出発の10分前に到着、すでに列車が来ていた。お昼のサンドイッチを購入して急いで列車に飛び乗る。こんなに急いでいるのは次行く建物であるゲーテアヌムの大ホールの見学時間が14時から14時半の30分しかないからだ。目的地であるDornach-Arlesheimに到着したのは13時半だ。その辺の人にゲーテアヌムへの行き方を聞くと「あそこに見えるでしょ?」と言われる。振り返ると山の上に奇怪な形のコンクリートの塊が少し見えるではないか。一瞬ゾクッとした感覚が襲う。少し駆け足になりながら坂を上り始める。途中何人かに道を聞くが百発百中みんな知っている。それほど地元では有名な建物のようだ。ゲーテアヌムに近づくにつれ模倣された住宅が目に付く。「ゲーテアヌム(Goetheanum)」は元思想家であるルドルフ・シュタイナーによって設計された建物だ。坂を上り切りゲーテアヌムを見た時はさすがに驚愕した。この建物はデザインの好き嫌いを突き抜けている。彫刻的で圧倒的なコンクリートの重量は見る者を摑まえる。中に入りたいのをぐっと堪え建物の周りを一周する。心を静め中へと入り正面の階段を上がると大ホールの扉が。とてもとても重量感のある木扉だ。木の取っ手を掴むと扉全ての重量がずっしりと圧し掛かってくる感覚だ。扉を開けるとそこにはもはや俺の言葉では表現できない光景が広がっていた。写真にも表現できないので載せない。自ら体感して欲しい空間だ。時間の許す限り建物内を見て周るがゲーテアヌムはルドルフ・シュタイナーの精神そのままだ。本当に彼の精神世界へ飛び込んでいくような感じにさせられる建物だった。
ゲーテアヌムへの行き方はBaselSBBからDornach-Arlesheim(3つ目の駅)まで行く。ユーロパスを持っていれば予約料金などは必要なし。駅へ到着して列車を降りた側(バス停や売店がある方とは逆側)の山の上にゲーテアヌムはある。一本の坂道だが分からなければその辺の人に聞けばすぐに教えてくれる。坂を上ること15分くらいで到着する。そういえば大ホールの見学時間は13時半から14時半の1時間に変更になっていた。
帰りの列車の時間が迫っているので走りながら駅へ向かう。バーゼルへ戻りトラムを乗り継ぐこと40分程度で次の目的地へ到着する。ここもぜひ見ておきたかった美術館の一つだ。
「バイエラー財団美術館(Beyeler Foundation Museum)」はパリのポンピドゥーセンターや関西国際空港ターミナルビルを手掛けたレンゾ・ピアノによって設計、自然の中ひっそりと佇むようにそれはある。入場料が25フランもかかるので入るのやめようかとも思ったが国際学生証提示で12フランになり入場を決意。この美術館で最も印象的なのは内部の展示室である。半透明のガラス屋根からの光と少しの間接照明のみで成り立っているのだ。訪れたのは夕暮れ時だったがほとんどの展示室は自然光のみで天井からぼんやりと降り注ぐ光がとても心地良い。訪れる時間帯によって様々な表情を見せてくれるだろう。おそらくメンテなどは大変になるだろうが、何でも効率重視で設計していたらこのような建物は絶対にできない。人の手をほんの少し加えてやるだけで、ほんの僅かな非効率が最高の空間を創り出す良い事例だ。
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inスイス_バーゼル

3/3列車を乗り継ぐこと8時間、やっとバーゼルに到着だ。途中列車の窓から雪に覆われた壮大な山々が見え始めるとスイスに入ったと実感させられる。バーゼルはフランスとドイツに接する商業が盛んな街だ。一般の旅行者はあまり訪れることのない街かもしれないが、この街には多くの著名な建築家が建物を残しており建築スポットとして有名である。駅に到着してまずは地図が欲しい。インフォメーションへ行くとなんとArchitektua-Mapを無料で入手することができた。さすがデザイン大国スイス。この国では建築家は愛され尊敬されている。でも一般的な地図は有料だった・・・目星を付けておいたホステル、YMCM-HOSTEL-BASELへ。運良く3日連続部屋を取ることができた。このホステルはかなり好感が持てそうだ。内装のセンスも良く部屋も清潔で物価のめちゃくちゃ高いスイスで1泊30フラン以下という安さ。しかも宿泊日数分のmobility-ticket(トラムとバス乗り放題)と路線図がセットで貰える。Architektua-Mapには何番のトラムやバスを利用すれば目的の建物に行けるかも明記されているので、入手した三種の神器があれば怖いものなしだ。朝食は別途9フラン必要だがキッチンが自由に使用できるので安く済ませることは可能だ。チェックインしさっそく外に出るがすでに日が暮れ始めている。仕方ないので建築巡りは明日することにして駅内やホテル周辺を散策しつつ、明日のために列車やトラムの乗り場を確認。
お腹が空いてきたのでスーパーへ行くと日本のお惣菜コーナーにあるような弁当やパスタが8フランもする。ちょっと気になって駅前のバーガーキングの値段を確認するとセットメニューが14フランだ。バカな!ありえない。感覚的だが日本の倍くらいの物価のような気がする。ここはNYを超えたな。素晴らしい国だがあまり長居することはできなさそうだ。
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inイタリア_ヴェネツィア2

3/2街全体に薄っすら霧がかかっている。しかしそれがより一層幻想的なヴェネツィアの街を引き立てる。今日も8時間くらい歩きっぱなしだったが意外にも疲労感はそれほど感じない。この美しい水の都が俺の感覚を麻痺させているのだろう。
主要な道を把握したら路地へと入っていく。地図を持たずに迷いながら、まるで街に溶け込むかのような感覚だ。路地には小さな魅力がいっぱいだ。革製品やガラス細工の工房、お洒落なレストランや服飾店が目に付く。かと思えば思いがけない場所に庶民の生活が垣間見えたりと街歩きを全く飽きさせない。そして何度も書くが車が全く走っていないというのがとても心地よい。このような場所が地球上に存在することを知るとなんだか嬉しくなる。
今日の昼は中華を食べた。海老チャーハンとアスパラ入り蟹スープだ。あまり美味しくもないパスタやピザに飽きてきたところへ中華は本当に美味しい。そして安い。どこの国へ行っても中華があるのは有難いものだ。
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