inスイス_バーゼル、ロンシャン(一時フランス)

3/5朝5時起床。全然眠れなかった。一部屋に8ベッドもあると必ずイビキのうるさい奴がいるものだが昨日は2人もいた。しかも特大のイビキを交互に響かせる。途中2時過ぎに帰ってきて電気を点けて何やら騒がしい奴はいるわ、4時頃電話が鳴って話し出す奴もいる。部屋は最高だったが人は最悪だった。
日も昇り切らないうちに出発。今日の目的は一時的にフランス側に入りロンシャンの教会に行くこと。行き方はBaselSBB→Mulhouse-Ville→Belfort→Ronchampと2回列車を乗り継いで行くことになる。所要時間は2時間程度だが日帰りで行く場合早朝と昼過ぎの2回しか列車がないので注意が必要だ。列車の時刻はスイス国鉄のHPで乗り継ぎの時間も含め簡単に調べることができる。Ronchampの駅から徒歩30分程度でロンシャンの教会に到着する。ネットではタクシーに乗るとかお金がかかるとか色々書かれているが、この行き方だとユーレイルパスを持っていれば1ユーロも使わずに行くことができる。
Mulhouse-Villeに到着しBelfort行きの列車に乗り込む。しかし何やらおかしい。Belfortに全く到着しない。心配になって隣の人に尋ねると違う方向に進んでいることが判明。すぐさま列車を降りてMulhouse-Villeに引き返すがBelfort行きの列車は1時間待ち、さらにBelfortからRonchampへは3時間待ちと悲惨な状況だ。どこで間違えたのか全く分からなかったがMulhouse-Villeの駅でそれは判明する。俺が見ていたのは到着の電光掲示板だった。最悪な事に時刻も行き先も駅名も全く同じ、しかも到着と出発の掲示板が全く違う場所にあり、プラットフォームへ降りる階段の上に到着の掲示板があるのだ。偶然が偶然を呼び最悪な結果に。悔やんでも仕方ないがヨーロッパの鉄道に慣れてきたこともあり最後の確認を怠った自分が情けない。
Belfortで3時間も列車を待たなければならないが何もすることがない。とりあえず街を散策してみる。ふらふら歩いていると山と同化した建物を発見。気になったのでその建物目指して歩くことに。建物の正体はミュージアムとカフェだった。特に見所があるわけではないが高台から見るBelfortの街並みはなかなか見ごたえがあった。そうこうしているうちに駅へ戻ると出発の30分前だ。遅れること5時間、列車に乗り込みついにRonchampに到着だ。Belfortから来た場合は列車を降りて左に進むと大きな通りに出る。そのまま道なりに進んでいくとChapelleと書かれた標識があるので標識に従って左へ進む。後は山道を歩くこと15分くらいでロンシャンの教会に到着する。
「ロンシャンの教会(Chapelle Notre-Dame-du-Haut)」はル・コルビジェの設計で世界的に有名だ。あの有機的なフォルムは明らかにそれ以前にコルビジェが設計した建物とは異なる。コルビジェにとって大きな転機となった建物であることは間違いない。山道を登り切りロンシャンの教会を前にした時は寒さで凍えた体が熱くなるのを感じた。苦労した分なおさらだ。まあ列車を間違わなければここまで苦労することはなかったのだが・・・山の上にあるという地理的要因、緑の芝に真っ青な空、彫刻的な美しい教会はそれだけで絵になる。たまねぎ型の分厚いコンクリートの屋根はふわふわと空に舞ってしまいそうな白い壁を大地にがっつりと抑えこんでいるかのようだ。相反する2つの性質のモノだが、なぜかしっくりとくる。はやる気持ちを抑えつつ、静かにゆっくりと中に入る。しかし内部は期待していた空間とは違う。色付きのステンドグラスを通過して様々な色の光が全身を突き抜けていくイメージだったのだが、中は薄暗く開口からぼんやりと差し込む光とその陰影が印象的だ。写真集で見るようなイメージとは違う。いや、そもそもそのイメージ自体が間違っていたのだ。心静まる神聖な空間であることは確かだ。
ロンシャンの教会で一人の建築学生と出会った。その人はBelfortからわざわざ35ユーロも払ってタクシーで来ていた。帰りもタクシーで帰るらしい。アプローチを自ら歩いて体験すべきだが、タクシーで帰ることが必ずしも間違っているとも言えない。周囲にカフェ一つないRonchampの駅で寒空の下、俺は2時間以上列車を待つこととなる。知ってはいたけどツライ。というわけでバーゼルヘルツォーク巡りをするには1日足りない。しかしそれは俺の中でマスト事項ではないので次へ行くとしよう。時間もないしな。今日は疲れた。
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