チュクン・リピークを目指して

11/26今日は正念場だ。標準的なペースでは10時間以上歩く上、高度差1200Mもある。4000M以上の高度でこの高低差は本日のコースが今回のトレッキングの中で最も過酷となるのが容易に想像できる。ディンボチェを早朝5時に出発。暗がかりの中ヘッドライトの明かりを頼りに歩くこと1時間、日も昇り始め次第に周りの視界も開けてきた頃さっそく障害が立ちはだかる。川の水が暑さのため溶け始め歩けるところがなくなってしまっているではないか。仕方なく迂回することに。ここで30分のロスだ。ディンボチェからチュクンの村へ到着したのは7時半。お馴染みカレー味のインスタントラーメンで腹ごなしをし、1時間の休憩後アタック開始。次第に開けてくる美しい景観を堪能しながら登ること2時間、チュクン・リピークらしきところに到着。ここまで来るのに知名度が低いためかすれ違ったトレッカーは僅か2組のみ。静かに山と対峙しながらトレッキングを楽しみたい人にはお勧めのルートだ。達成感に浸っているとガイドが地図を取り出し余力があればチュクン・リピークにアタックしてみるかと聞いてくる。ここはピークじゃないのね・・・そこから上は本当に登るの?って感じのルートだ。一瞬考える。高山病の症状は全く出ていないが足の筋肉が悲鳴を上げている。しかし自分の限界はまだまだこんなもんじゃないという思いもあり答えはyesだ。若気のいたりか。もう若くはないが・・・道のりはかなり険しいく岩と瓦礫の山だ。自分では正しいルートを見つけられない。単独では無理だっただろう。ガイドがルートを作りその後をトレースするかのように一歩一歩確実に足を突き動かす。40分くらい経過しただろうか。ついにチュクン・リピーク(5550M)に到達する。その時の感動はもはや笑うしかない。達成感もさることながら眼前にはローツェ(8516M)の巨大な白い氷壁が立ちはだかり、周囲にはアマダブラム(6856M)、アイランドピーク(6198M)、ヌプチェ(7879M)の山々に囲まれ言葉では言い表せない眺望を創り出している。まさに今日は最高の日だ。ここに到達できる健康な体に生んでくださった母上様、旅に出ることに協力してくれた人達に感謝感謝。