inスペイン_ビルバオ1

2/17またまた雨だ。嘆いてもどうにもならない。体調はずいぶん回復したようだ。マドリッドから列車で5時間かけてビルバオへ。列車の中でのサービスはかなり高く朝食も大変美味しい。病み上がりの体には優しい朝食を頂きビルバオ到着を心待ちにする。もちろん目的はフランク・ゲーリー設計のグッゲンハイム・ビルバオを見るためである。良くも悪くもこの建物、学生時代俺を建築設計へ引き込んだ建物の一つなのだ。グッゲンハイム・ビルバオはNYにあるライト設計のグッゲンハイム美術館の別館として建設された美術館である。運営母体はどちらもソロモン・グッゲンハイム。しかしこの美術館、年間入場者数はNYにあるグッゲンハイム美術館の約100万人と同じなのに対し日本人にはあまり知られていない美術館である。その理由は簡単だ。日本のガイドブックに掲載されていないからだ。大半の旅行者はガイドブック片手に観光する。ゆえにガイドブックに掲載されていない場所の情報を知るすべがないのだ。この美術館を訪れるのはせいぜい建築関係者くらいであろう。しかしそれはあくまでも日本での話。ロンプラには掲載されているし、さびれつつあったビルバオの街を再生し世界的にかなりの注目を集めている美術館であることには間違いない。ヨーロッパの旅では今後このようにガイドブックには掲載されていないが専門外の人が見ても楽しめるスポットをブログに載せていきたいと思う。とりあえずガイドブックに掲載されている教会へ行き、美術館へ行き、博物館へ行くよりかはよっぽど楽しめるはずである。と思う。俺もかなりの部分ガイドブックに頼っていた自分を今回改めて思い知った。よりリアルな情報を渇望している。
列車がビルバオに到着。予定通り13時だ。まずは街の地図を入手するため駅のインフォメーションへ。英語で地図をくれ、そして安いホテルを教えてくれと聞いたのに。怖そうなおばちゃんは物凄いスピードのスペイン語でまくしたてて地図をぽいっと投げるように渡した。安いホテルはないかと聞くとまたぽいっとその地図を裏返してホテルリストを指した。どーみても高そうなホテルだがこいつに聞くのは諦め誰か英語で説明してくれそうな人を探す。今度は比較的若そうなショップの店員に尋ねると、私は分からないけどこの場所にあるインフォメーションに行けば教えてくれると丁寧に英語で説明してくれた。とりあえずその場所に行くとやっと安いホステルのリストを入手。しかし体調が万全でないうえ雨の中重い荷物を持って歩いたためかなりヘトヘトだ。とりあえず駅近辺にある安ホステルを数件周り一番安いホステルに決めた。それでも1泊40ユーロもした。まあシングルで風呂トイレ付きWi-Fi可と最近泊まったホテルの中では一番良い。それに疲れている時はドミじゃなく一人でゆっくり休みたいので良しとしよう。
すぐに準備をして出発だ。外に出るとちょうどトラムが来たので乗り込む。歴史ある街並みの中を近代的なデザインのトラムがゆうゆうと走るのは気持ちが良い。カラトラバの橋を通り過ぎるとすぐに目の前にビルバオ・グッゲンハイムが。歴史ある街並みの中に忽然と姿を現すメタリックの塊は街に反発するようでもあり、すんなり溶け込んでいるようにも見えた。あと数十年もすれば完璧にこの街のシンボルだと市民含め世界が認識するんだろうなと思いながら。しかしどっからどーみても特異な形態である。確か航空機の設計に使用するCADだったか構造解析ソフトだったかを用いたとか。一昔前までなら絶対にできなかった建物である。現代のテクノロジーがやっとゲーリーの芸術性に追いついたのか?はたまた現代のテクノロジーゲーリーの芸術性を飛躍させたのか?自らを建築家ではなく芸術家というゲーリーらしい作品である。中に入ってもぐにゃぐにゃは続く。壁も柱も天井もなんでもぐにゃぐにゃにしないと気がすまないらしい。かなり無駄が多いような気もするがそれが無駄じゃないんだろうな。いやでもやっぱり無駄な空間多すぎだろ!っとかつっこみながら館内を鑑賞。作品もかなり無駄にスペース取ってる。1階部分の大部分を占めるリチャード・セラの作品なんてもう大変。渦巻状の巨大な鉄板が何個もありくるくる周りながら中心まで行くと何もないってな感じだ。しかし従来の単純なホワイトキューブタイプの展示室に作品を詰め込んでいるようなことはほとんどない分、建物と大型作品をじっくり楽しむことはできた。膨大な量の絵画を見るのは苦手で疲れるという人にはおすすめの美術館である。
外に出て街を散策しながら昼食兼夕食がてらバルを2件ハシゴする。バルとはまあバーみたいなものだ。お酒やカフェを飲みながらタパスというツマミを一つ二つ・・・久しぶりの生ビールとバスク地方の美味しいタパス。どんどんビールやワインが進みそうだけど体調も万全でないのでグラス1杯にとどめることに。しかも生1杯、タパス3つで6ユーロと安い。これは明日の昼もバルで決まりだな。
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