タイムズスクエア、ソーホー

マンハッタンには多くの特徴あるエリアが混在していて実に面白い。中でも特に好んで歩いたのはタイムズスクエアとソーホーである。全く異なる2つのエリアではあるが新旧の対比が面白い。世界でも随一の繁華街であるタイムズスクエアは企業の広告や巨大ディスプレイが数多く建物外壁に設置されどこか非現実的な感じがする。しかしそこにはショッピングやミュージカルを楽しもうと世界中から観光客が訪れ非常にエキサイティングな場所となっている。一時期の暗黒な時代があったからこそ今がより一層輝いているのかもしれない。ソーホーはキャストアイアン建築が多く歴史保存地区に指定されているエリアである。キャストアイアンとは19世紀中頃にイギリスから伝えられた建築様式で溶解された鉄塊を鋳型に流し込み建物の骨格や装飾を構成している。キャストアイアン全盛期の当時は安い賃料で天井が高く窓も大きい部屋を借りることができたためお金のない芸術家やデザイナーのアトリエとして使用され芸術の街として栄えたらしい。しかし現在では地価の高騰により高級レストランや高級ブランドの路面店が多く進出している。芸術の街という一面が失われたのは残念であるが元の建物を活かして改装しているため洗練された美しいカーストアイアンのデザインはそのまま残され落ち着きのある美しい街並みを形成している。ソーホーの街の特徴としてアイアン・外階段・石畳が挙げられるが中でも外階段に注目したい。火事の多いアメリカで外階段を強要された時代があったらしいが、この外階段が全くいやらしくない。デザイン性もさることながらアイアン・石・レンガの組み合わせが絶妙である。外壁に合わせた色を付けることもでき別個ではなく一つの建物として成立している。特にミソは1階部分が折りたたみ式となっていることだ。1階部分に外階段が見えないため視界を遮ることがないし店舗のファサードを邪魔することもない。店舗側は外階段に悩まされることなく店の顔を作ることができるのだ。直通階段を義務づけている日本では無理な話だ。外階段の場合1階は折りたたみ式でも可!みたいな注釈ないかな〜。
[%7C]