inインド_アーグラ

12/9アーグラーへ。タージマハルはやっぱり素晴らしかった。立派すぎる赤砂岩の正門をくぐると、世界一美しい墓の名に恥じぬ凛とした佇まいで静かにそして堂々とした姿を現す。白の大理石が少し霧がかった空に溶け込むように、しかしその風格ある存在感を示しながら・・・泉水と庭園を前景とした美しいランドスケープと完全なるシンメトリーのタージが人々を魅了する。近づくと白大理石の圧倒的なボリュームはさらに存在感を増していくなか繊細な大理石の透かし彫り技法がとても美しく逆に眼を引かれる。中に入るとそこから漏れる光に照らされながら中央に妃の墓が安置されていた。実際タージを建設するのに国が傾くほどの天文学的な費用がつぎ込まれたというのだから皇帝の妃への熱愛ぶりは相当なものだったのだろう。一人の女性に対する愛が国を傾け、そして現代では世界遺産に登録され世界中から観光客を呼びよせているわけだからたいしたものだ。タージ鑑賞後は冷えた体を温めるため屋台で濃〜い一杯のチャイを飲み、皇帝シャー・ジャハーンが息子に幽閉されていたという塔を見にアーグラー城へ。アーグラ城からは霧がかっていてタージは薄っすらと見える程度だった。自分の全精力を注ぎ込んだタージをこんな遠くから眺めるはめになってしまった皇帝はどういう心境だったのだろう。きっと嘆いていたことだろう。
インド人はとにかくうっとうしいくらい話しかけてくるがこちらが暇な時にはこんな頼もしい奴らはいない。バナーラスへの寝台列車を乗るため4時間前に駅で待機。その間暇で暇で何もすることがない。インド人としゃべると奴らは色々な情報を親切に教えてくれる。たまに適当なことも言うがそれでもとても良い話し相手にはなる。ようはこちらがどこまで警戒心を解いてあげるかである。
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