アンコール遺跡群

2日間で近郊、郊外のアンコール遺跡群をほぼ制覇できた。その功労者はなんといってもトゥクトゥクだ。丸二日間チャーターして40$である。近郊だけなら15$だ。数人でシェアすれば一人10$程度で効率よく遺跡を周ることができるのだ。現地ツアー会社のHPを調べてみると1日観光で100$とかばかり。しかもバスで。安全面はあるにしろ第三者を通すことでいかに価格が跳ね上がるのかがよく分かる。なんかお金のことばかり書いている感じがするが、実際に現地の人と価格交渉し、現地のものを食していると単純に1$=4000リエル(カンボジアの場合)ではなくなってくるのだ。1$の価値はどんどん高くなる。
トゥクトゥクを選択したのは正解だった。アンコール遺跡群のスケール感にはびっくりだ。遺跡の一つ一つが巨大であり遺跡間の距離も半端なく遠い。これを歩きやチャリで周ろうかと考えていたかと思うとぞっとする。トゥクトゥクの利点は安い、小回りが利く、そして灼熱の太陽の下、ツアー客を乗せたバスの横をカンボジアの風を感じながら疾走するのはちょっとした優越感だ。
アンコールワットはというとやはりすごかった。圧倒的なスケールと存在感、かと思うとこれでもかというくらい細部にまで彫られた神々や文様の数々。正確に積み上げられた石積みの壁面。先人達には頭が下がる。しかし残念なことに10年以上の歳月を費やしたアンコールワットでさえ手抜き箇所は多く見られた。書籍によると宗教建築は期日までは全力で工事が進められるが儀式の後に未完成部分の追加工事はしなかったとのこと。そのためまずは見えるところを完成させ、人の目が届きにくい箇所は細部の細工が未完成でもそのまま放置されたらしい。日本人の見えないところに美学を感じる感覚とは相反するものがある。アンコールワットはまさに見られることを意識した最高傑作の建築だ。[%7C]