inベルギー_ブリュッセル

3/15ベルギーではアールデコの建築を見るのが目的だ。というのは建前で本当はベルギービールを飲みまくるのが目的だ。ブリュッセルに到着してさっそく駅構内のバーで1杯。芳醇な香りにコクのある甘み、ほのかな苦味が最高に良い。ベルギーにはアルコール度数の強いビールが多い。しかし確かな「味」があるため飲みやすく肴がなくてもビールだけをいくらでも飲めてしまう。
ロンドン行きのチケットを予約すべく再び駅へ。そこでロンドンまでの料金を聞いてビックリした。2等で70ユーロだ。3回くらい聞き返したね。俺はユーレイルパスの1等を持っているんだけどってアピールすると、パスホルダー割引で70ユーロだと。パスを持っていないと240ユーロもするらしい。パスが16日で期限が切れるため16日にロンドン入りの予定を組んでいたのだが正直迷っていた。ロンドンで1週間もいても時間を持て余してしまいそうなのでブリュッセル→ロンドン間は正規の乗車券を購入して16日以降に行こうかとも考えていたのだ。あぶなかった。まあ最後くらいはのんびりしてもいいだろう。
ブリュッセルの街は広くない。街歩きをしながら老舗の店でベルギーワッフルを食し、お土産屋でベルギーチョコレートを試食し、小便小僧を見て、世界で最も美しいと言われている広場の一つである(他にシエナのカンポ広場)グランパレスを見学する頃にはおおまかなブリュッセルの街は歩き尽くしていた。そうこうしているうちに日が暮れてきたので部屋で一杯やろうと思いアルコール度数10前後のビールを3本購入して部屋へ戻る。部屋には日本人の青年2人がすでに飲んでいた。一緒に飲み始めること1時間くらい、さらに同じホテルに宿泊していた人やワッフル屋のベルギー人も加わり外で飲み始める。なんだかんだで6種類くらいは飲んだな。うん、満足。
写真一番右のビールが俺のお勧めKASTEEL。アルコール度数11%で濃厚な甘みと苦味が格別。
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inオランダ_アムステルダム

3/14今日はMVRDV巡りだ。MVRDVは学生時代に影響を受けたロッテルダムを拠点とする建築家集団である。まずは「100戸の老人用集合住宅-オクラホマ(Oklahoma)」へ。オクラホマへはCentralからOsdorp行き17番のトラムに乗りHoekenes下車。トラムの路線と垂直に流れる川を乗って来たトラムの進行方向に向かって右へ進む。川を右手に見ながら歩くこと10分程度で到着する。最初に目に飛び込んでくるのは木の外壁からポコポコと突き出ているカラフルなガラスのバルコニー。見ているだけでも本当に楽しい。反対側に周るとお馴染みキャンティレバーで張り出した部屋が視界を覆う。最も張り出している部屋で11.3Mもある。なんでも敷地の大きさから法規上87戸しか計画できないと判断したMVRDVはキャンティで残りの13戸を補うことを考えたとか。老人用集合住宅にキャンティで11.3Mも張り出した部屋を設計しようとした発想が素晴らしい。周辺には多くの優れた?集合住宅が建っているのでついでに見学するのがベストかと。
他にも屋外共用スペースのデザインをリチャード・ハッテンが手がけたことで話題になった「パークランド(Parkrand)」や海上に建つ「シロダム(Silodom)」を見学。MVRDVの設計全てに共通していることだがカラフルで遊び心溢れた一工夫がなされている。キャンティで11.3Mも張り出したり(住居確保のため)、中央部分に大きな穴を開けたり(5つの棟を11,12階部分で繋げる結果)、海の上に建っていたり(敷地の性質上?)。集合住宅はやはりこうでなくては。きっとここに住む子供達の感性にも大きく影響してくるはずだ。
パークランドへの行き方はCentralからトラム13番に乗りDr-H-Colijnstraat下車。トラムの路線と垂直に交わる目の前の通りがColijnstraat通りなので、乗ってきたトラムの進行方向に向かって右手に進み出すと徒歩1分くらいで到着する。シロダムへの行き方はCentralからバス48番線に乗りBarentszplein下車すぐ。乗ってきたバス進行方向に向かって右側(海側)の道を進んで行けば一番奥にあるのがシロダム。バスの路線を目印に行けばCentralの駅から徒歩で十分行ける距離。バスやトラムのチケットは共通で1時間以内なら乗り換え自由なので効率良く使用すれば全て周っても8ユーロ以内で抑えられる。もしくはAmsterdam-dagkaartという1日乗り放題券を7ユーロで購入すれば1日時間をかけてゆっくり見学することもできる。チケットはCentralの駅前のインフォメーションで購入可能。駅構内のインフォメーションで購入場所を聞けば教えてくれる。ただオープンは10時以降なので朝早く行動したい人は前日購入をおすすめする。
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inドイツ_ケルン

3/13朝から天気が良くない。まずは632年の歳月をかけて完成したドイツ最大のゴシック建築であるケルン大聖堂へ。実は昨日の夜にちらっと見ていた。中央駅を出るとちょとした広場になっていて目の前には大聖堂が聳えている。所々に外壁補修中の箇所はあるものの、駅を出て突如目の前に現われる大聖堂は圧巻である。南塔の展望台へ行くため509段の階段を登り始める。これが意外にしんどい。くるくると何の景色も見えないところをひたすら上るので精神的に疲弊する。途中に鐘を鳴らす空間があるのだが鐘がデカイ。ヨーロッパの教会を数多く見てきたが鐘を見るのは初めてでちょっと感動だ。展望台まで上るが網で囲まれていてあまり景色は良くない。代わりに展望台のいたるところに書かれた落書きを目にする。なんだこれは!仮にも世界遺産にまでなった歴史ある建造物になんてことを。歴史に名を刻んだ建物に自分もあやかりたいのか、全くもって理解し難い行為である。
ケルン最大の目的であるピーターズンドール設計、ケルン大司教所属の美術館である「コロンバ(Kolumba)」へ。コロンバは中世の教会、ローマ時代の遺跡、チャペルと幾層にも重なった歴史ある建造物の上に炭焼きのレンガを編み込むように建てられている。1階の吹抜け部には遺跡がそのままの状態で保存されており、穴の開き具合も綿密に設計された炭焼きのレンガの外壁から漏れる光をズンドーがどのようにイマジネーションしたのかが最も見たかったところでもある。しかし外は雨だ。薄っすらと光は漏れるものの予想以上に薄暗い。それはそれでローマ時代の遺跡を展示するに相応しい空間となっているもののやっぱりちょっと残念ではある。光をテーマとするような建物を見学する際に雨や雪に遭遇すると自然現象とはいえ腹が立ってくる。2,3階はギャラリーで中世から現代までの作品が展示されているようだが知識不足でよく分からん。上層へ上がる階段がとても繊細で素晴らしく見入ってしまう。木手摺はしっとりと手に馴染む形状で気持ちが良く、階段と壁の端部は巾木がないのは当然としてスリットが入っていて階段を重さを消している。この手法は展示空間でも使われていて床全体が浮いているようにも見える。家具やドアハンドルに至るまで全て特注品でどこを見ても隙がない。展示内容によって変わる空間、おそらく作品を照らす照明の照度や角度、落ちる陰影まで計算されているのだろう。どこを見ても考え抜かれているようで一切妥協がなく惚れ惚れしてしまう。自ら「100%満足している」と言い切っただけのことはある。この建物の詳細図欲しいんだけど誰か知ってる?auに掲載してたっけな〜。
ドイツの列車も安い上にかなり快適だ。ユーレイルパス+予約料として5ユーロ支払ったのだが、なんと6シートある個室に俺一人。アムステルダムまで3時間程度かかる列車移動もこれなら快適だ。
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inフランス_パリ3

3/12朝からアラブ世界研究所、ブラジル学生会館、スイス学生会館、アラブ世界研究所、フランス国立図書館、シネマテック・フランセーズを見学。特にドミニク・ペローのフランス国立図書館は予想以上に素晴らしく感動した。ミニマルアートのような端正な建築で開かれた本を思わせるタワーが四隅に建ち、地下の中庭で結ばれている。カーテンウォールのディテールがとてもキレイに収まっていてシンプルな単体のガラスボリュームに見える。また内部に設けられた木質パネルが見る角度によって独特の表情を創り出していて単純なガラスボリュームで終わらず+αの提案がなされている。ゲーリーのシネマテック・フランセーズを最後に見学する予定だったが、なかなか国立図書館から離れられず結局また最後は走るはめに。
ケルンへ行くためタリスに乗り込む。ヨーロッパで一番快適な列車だ。シートは広く快適だしワインやサンドイッチ、デザートのサービスもある。最も驚いたのはファーストクラスに限りWi-Fiが可能なのだ。Wi-Fiが可能な列車はタリスが初だ。
ん〜ちょっとばたばたしすぎてブログをちゃんと書く余裕がなくなってきたぞ・・・
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inフランス_パリ2

3/11パリの街歩きはそこまで楽しくない。大都会だから仕方ないのかもしれないが自動車の排気ガスやゴミが目立つ。おまけに広場を中心として道が放射状に伸びているので目的方向を間違えたら大変だ。全く別の場所に向かってひたすら歩くことになる。インフォメーションで貰う地図もメトロとリンクしていないしごちゃごちゃしていて分かりづらい。そういえばトラムが開通したはずなんだが一度も見なかったな。
今日は朝からポンピドゥーセンター、ルーブルのピラミッド、オルセー美術館と巡りめちゃくちゃ疲弊した。大型美術館は一日一つに限る。美術館巡りの後、パリ最後の夕食を楽しむべくレストラン探しをすることに。リヨンに比べて値段も高いしなかなか美味しそうなレストランが見つからない。しかし1時間くらい歩いたところで地元の人で賑わっている一軒の小さなレストランを発見。料理はイタリアンだがこの際フレンチに限らず美味しいものを食べたい。店に入ると中の席は予約でいっぱいだったのでテラス席に案内された。隣には酔っ払いの常連客のおじさん二人組みが。メニューリストはなく黒板に書かれたメニューのみ。フランス語でよく分からないのでお店の人のお勧めと、隣のおじさんがやけに勧めてくるチーズと生ハムを注文した。メインはパスタだったがどちらも非常に美味しく隣のおじさん二人組みとワインを飲みまくった。あー最高。俺の隣に座っていたおじさんがとてもお茶目なフランス人で前の席に来た料理を必ず最初に一口取るわ、リゾットを2回も注文するわ、俺が日本人だというと「俺の友達が日本語をちゃべれるからと電話をかけ出し俺に携帯を渡してくるわでもうめちゃくちゃ。当然電話の相手はフランス語オンリー。今回のフランス訪問で俺のフランス人のイメージは一新された。
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inフランス_パリ1

3/10パリ中心部からRER(高速地下鉄)を利用してPoissy駅へ。目的はル・コルビュジェ設計の「サヴォア邸(Villa-Savoye)」を見学すること。サヴォア邸はコウビュジェの建築形式の探求の成果であり、近代建築における5原則(ピロティ・屋上庭園・自由な平面・独立骨組みによる水平連続窓・自由な立面)が高いレベルで実現されている。門を潜り芝地を少し歩いたところにオブジェのようにひっそりと建つサヴォア邸。ピロティによって1階部分は2階部分の影に消され空中に浮かぶ白いボックスを際立たせている。ぐるりと北側へ廻りこむと玄関ホールがあり写真集でお馴染みの立面が現われる。北面の平地のスペースはあまりなく写真集と同じ写真を撮るのは無理そうだ。玄関ホールから建物内部へ入り緩やかなスロープを上ると視界がぱっと開ける。気持ちの良い採光と視線の先に見える屋上庭園は内外一体性が実現されている。時代的背景もあったかもしれないが一生をかけた探求の成果を一つの住宅に詰め込むことができたコルビュジェは幸せものだろう。サヴォア邸は住宅の原点でもありこれからの未来を示してくれた気がする。
オープン当時話題になったジャン・ヌーベル設計の「ケ・ブランリー美術館(Musee-du-Quai-Branly)」はエッフェル塔とアルマ橋の間、セーヌ川沿いに木々に囲まれて建っている。展示内容はオセアニア、オーストラリアやアメリカの原始美術のコレクションということでヌーベルのネチッコイ空間に非常にマッチしている。内部は照明を落とし薄暗く迷路のようになっていて何回か迷ってしまった。長時間居たくない空間ではあったが短時間楽しむには良かったと思う。パリにあのような特異な美術館が一つくらいあっても面白いだろう。
他にグラン・アルシュ、凱旋門エッフェル塔ユネスコ本部などを見学
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inフランス_リヨン

3/9リヨンは食の街だ。旧市街のレストラン街を歩いていると美味しいスープの匂い街路を覆う。以前ブログで食に関して書いたがここで訂正しなければならないようだ。フレンチは最高に旨い。日本で同じ質を求めるとなると3倍くらいの価格は覚悟しなければならない。質、量ともに満足できる内容でコース10〜15ユーロ程度だ。夜はサンドイッチにすれば1日の出費を予算内で抑えることはできる。ただ昨日の夜はどうしてもリヨンの食を味わいたくて夜レストランへ行った。30ユーロくらいで最高に贅沢な気分にさせてもらえる。でも夜レストランへ行くのはこれが最後だ。たぶん・・・フランスを離れられなくなりそうで怖い。
今日は風が強い。街を歩いていると前を歩いていた人が立ち止り落ちているゴミを拾い始めた。転がっているゴミ箱を元に戻しゴミを入れている。リヨンの街をキレイにしているのはリヨン市民だと実感した。これは国の豊かさを表わしているのかも知れない。豊かな人は心にゆとりがあり他人に優しい。環境にやさしい。これはヨーロッパの鉄道でも実感することができる。1等席と2等席では人に対する思いやりが明らかに違う。1等席の人は俺が汚い格好でも関係なくとても親切だ。ただしその傾向があるというだけで絶対ではない。もちろん線引きなどしているわけではない。ただ心に余裕のある大人にはなりたいものだ。LyonからParisへは列車で2時間。日も暮れ始めているので建築巡りは明日からだ。
写真のコースで13ユーロだった。
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